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  ケース5  

20歳代の下肢に障害を持ち、自走式車いすを利用している。勤務先には自ら自動車で通勤している。休日には、スポーツや旅行を楽しむ。マンションの3階に両親と一緒に住んでいる。

褥そう予防に際して
 本ケースで想定している下肢障害の方は、一般的に、上肢を使った移乗方法についてのリハビリ訓練を十分に学んでいます。このため、浴室とトイレの空間を広げる、洗面台の下の空間確保など、車いすに対応した機器類を設置していれば、大きな問題はないと考えられます。
 しかしながら、1日中車いすに座って過ごすため、褥そう(一般的にいう床ずれ)を坐骨につくることも少なくありません。健常者は、長時間座ると臀部下にしびれ、痛みを感じ、臀部を持ち上げる動作で褥そうを回避していますが、こうした対処が困難な場合は、坐骨周辺にかかる圧力をできるだけ分散するクッションを使用する、定期的に上肢を使って臀部を持上げて血行を回復するといった点に配慮することが必要です。こうした場合には、専門家のアドバイスや指導を得て、適切なクッションの選択と日常のメンテナンス方法を会得するなどの対応が考えられます。
 
  ケース5を生活の場面でみたときの用具の関係はこちらをご覧ください。  
 
【ケース5の一場面(イメージ)と福祉用具の一例】
ケース5
 
昇降式車いす用キッチン
 体に負担をかけないために、座って調理したり、車いすが入るよう、カウンターの下が大きく空いているキッチンです。こうしたキッチンは、車いすを使用したままでも調理できます。電動で高さが上下するタイプのものは、子供から大人まで広く使用できます。電動で昇降する棚もあります。

車いす(自走式)
 下肢に障害を持っている方でスポーツ(バスケットやマラソンなど)を行うときに使用する車いすです。スポーツの種類により、車いすの特徴も大きく異なります。デザインも豊富にあります。

障害者用運転補助装置付自動車
 車いす使用者にとって、車は移動手段として大切な生活の道具です。運転補助装置とは、旋回ノブ(ハンドルに取付)、アクセル、ブレーキ等を上肢で操作できる装置等のことを総称したものです。これらの装置を市販の車に取り付けた自動車を障害者用運転補助装置付自動車といいます。運転そのものへの配慮とともに、車いすと自動車の移乗、車いすの収納、シートベルト着用方法なども考慮しなければなりませんが、この車があると、車いす使用者は一人で気兼ねなくどこへでも移動でき、行動範囲が飛躍的に広がります。

【ケース5における用具類の追加】

車いすクッション
 臀部に加わる圧力を分散し、褥そうを予防するためにクッションを使用します。一般にはウレタンフォーム製のものが多く利用されています。他にゲル状の材質をナイロンなどでカバーしたもの、空気式クッションがありまが、それぞれに特徴があります。彼女は脊髄損傷ですが、空気式クッションを使用しています。これは比較的軽量で通気性がよいためです。このタイプは、空気圧の調整が重要です。

車いす用衣服
 車いすの人は長時間にわたって座り姿勢をとります。市販されているズボンは、股上が短くて背中が出てしまいます。排泄障害のある人には、パットの交換がしやすいことや収尿袋をうまくカバーできるような工夫が必要です。他に、ハンドリムを操作するため、長い袖口だとタイヤとすれ汚れたり破れやすくなります。彼女のように車から車いすへの移乗動作が多い人は、滑りやすい素材で丈夫なものでないとすぐに破れたり毛玉ができてしまいます。冬には保温性、夏には吸湿性や通気性なども配慮します。しかし、彼女にとって機能性も大切ですが、それ以上に流行のおしゃれでかわいいものを身につけたいといつも願っています。

リーチャー
 座った姿勢で手の届く範囲は限られています。買い物に行っても棚の高い位置にあるものは届かず、店員を呼んで頼まなくてはなりません。床に落としたものを拾えないことがよくあります。そのような時は、長い棒の先にはさみ部があり物をつかむことができるリーチャーは必需品です。リーチャーは、外出時にはあまり長いものは邪魔になります。折りたたみのリーチャーが欲しいとよくいわれます。また、車を運転する人は、高速道路の通行券や駐車場の駐車券をとるのに困っていて、短めのリーチャーが必要とされています。

 下肢障害があると靴を履くときにとても苦労します。そして、どうしても座り姿勢のため血行が悪く足がむくみやすくなるので、横幅が十分あり着脱のしやすいものが必要です。布製のマジックテープ付きのものはかなり市販されていますが、合成皮革や天然皮革製が少ないのです。車いすのユーザーはおしゃれでカラフル、そして正装した時に似合う靴なども望んでいます。

パーソナルコンピューター
 移動の制限がある障害をもつ人にとって、パソコンはとても便利です。自宅にいても、インターネットで情報を収集したり発信したりできます。言葉が不自由であっても、文字にしてしまえば、コミュニケーションは特に問題ありません。キーボードが使えない人には、その人の残存能力を生かすことのできる入力スイッチに変更することができます。たとえば、手指の不自由な人には大きなスイッチ、舌や頬など軽く触れて入力するスイッチ、目のまばたきで入力するスイッチなどもあります。視覚障害の人には、点字キーボードや点字ピンディスプレイ、そして文字や文章を音声で読み上げるソフトなども市販されています。機器やソフトはだんだんと機能アップして、障害をもつ人が情報機器を使用しやすい環境になりつつあります。


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